日本の家を 作っています。 morimura atsushi architects

 

  祭りは、毎年決まった時期に行われます。その期間中、普段何気ない街が色を帯びて生き生きとし、それまでは裏の路地だったところが華やかなメインストリートになったりもします。ハレの期間を支えているのは、地域の人々。そういう人々の力があって初めてお祭りが成り立っている。

 

 1年に1度のお祭りを大切にしているご家族の家のフルリノベーションです。お祭り関係の会合の為、普通の家庭よりも来客が多いのですが、既存の状態では、2階に個室・水廻り、3階リビング、4階子供部屋の配置になっており、来客時に2階のプライベート空間を通ってアクセスすることが問題となっていました。また、お子さんが4人。大学生を始め、中学生まで。既存では、大部屋を同性の3人で共用していたので、それぞれの子供の居場所をつくるのが大きな目標でした。

 

 1階は玄関スペース。通常は玄関ホールにするだけで目一杯のところですが、畳を敷いて2帖の小部屋を作りました。お祭りのときはこの小部屋を駐車場側に開放して、駐車場と一体として使うことを想定しています。2階は、リビングダイニングフロア。今までは3階にあったこのスペースを2階へもってくることにより、プライベート空間とパブリックスペースを上下で上手く分ける事ができました。リビングダイニングは全体的に小上がりとし、小上がりの床下には収納を確保。ピアノスペースとPCスペースも畳の上から使用できるように設計しています。全体的に面積は広くないため、キッチンはオープンキッチンとしました。油はねに対応するため、ガスレンジ前には、ガラスのパーティションを設けています。また、その奥に食品庫を設け、収納量も確保しています。3階は、寝室、水廻り、屋内物干し場を設けました。さらに寝室奥にはオープンタイプのクローゼットを設け、空間として広くみせつつ、収納もしっかり確保しています。階段は、既存と同様にらせん階段にしました。少し、上り下りは大変ですが、省スペース化が図られます。また階段内の余った空間には棚をできるだけ多く設けて、全体的な収納力をアップさせています。4階は子供達のスペース。既存の状態では4人分のスペースを確保するだけの面積はありません。また既存の状態で敷地一杯一杯なので増築することもできません。しかし、よく見ると4階の天井は少し高いようです。そこで一つのフロアを上下に分けて使える面積を増やすことにしました。寝るための空間と勉強部屋をロフトベット形式として上下に1人1ブース用意しました。また、異性同士は、扉でしっかりと区画し、将来子供達が巣立って人数が減る事も考慮し、ロフトベット部分が撤去できるように設計されています。

祭りを中心として、子供達も幸せになる。
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MORIMURA ATSUSHI ARCHITECTS/一級建築士事務所 森村厚建築設計事務所