日本の家を 作っています。 morimura atsushi architects

 

 飛行機に乗って空から日本列島を眺めてみると、山の緑が圧倒的に多く、宅地はかなり限られていることに容易に気づきます。日本は、国土が狭く土地が足らないわけではなく、都市部に多くの人が集中するために、都市の中の土地が不足しているのが本当の姿なのです。実際、国土交通省の土地白書の平成22年のデータを見てみると、森林が60%に対して、宅地はなんと5%しかありません。人が都市に集中した結果、都市の土地の価値が上がり、価格の高騰を招いています。都市に土地を所有していない者が、0から土地を買って家を建てようとすると、土地の方が家よりも高くなってしまい、家本体には予算が廻ってきません。これは、都市の中の家づくりではよくある話です。

 

 若い夫婦が横浜市の人気のエリアに土地を購入し、家を建てました。立地上、どうしても土地の価格が高くなってしまい建物はローコストにならざるを得ませんでした。しかし、理想の家を得る為に妥協はせずに、出来る事を一緒に考えて設計をしました。

 

 建主は、家族がだんらん出来る家で、それぞれの気配が感じられる家を望んでいました。この要望を満たすために、家の中心に大きな吹抜を計画しました。この吹抜の周りに各部屋を配置し、さらに、スキップフロアにして、お互いの部屋をゆるくつなげました。その結果、どの部屋にいても吹抜から家族の気配を感じる事ができます。

 

 1階の空間は床にアジアンウォールナット、壁は塗装を使って引き締まった空間にしています。それに対して2階はシナベニヤの床とビニールクロスの壁の簡素な仕上げです。なんでもなんでも見境なく安いものを使用するのではなく、理想を追求したうえでの予算配分を行っています。外壁は、ガルバリウム鋼板の波板を貼りました。波板の外壁は、他の既製品の外壁に比べてもかなり安く仕上がりますが、屋根に使用する材料の為、耐久性が抜群です。

 土地が川に近く一帯が地下50mまで支持層が無いような軟弱地盤になっています。こういった地盤の場合、、支持杭を打っても支持してくれませんので意味がありません。そこで、細い鋼管の摩擦杭をたくさん打って摩擦力で建物を支える工法を選択しています。

 

ローコストでも美しく開放的な家が出来上がりました。

吹抜を真ん中に配置し、家族の気配を感じる。
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MORIMURA ATSUSHI ARCHITECTS/一級建築士事務所 森村厚建築設計事務所