ビニールクロス、接着剤、合板、塗料など、現代の住宅には数多くの化学物質を発散する素材が使用されています。しかし、その建材から発生する化学物質に強く身体が反応を示す人が現れて、社会的に大きな問題になりました。この家は、そんなア
レルギー反応を持つ子供が快適に住める様に設計された住宅です。
この家の家づくりは、素材選びから始まりました。一つ一つ材料を比較検討するのはもちろんの事、合板を使わなくても成り立つ構造計画の検討や、米のりを使用した建具の製作など多岐に渡りました。今回使用した素材は、無垢の木材、漆喰、タ
イル、金属など主に自然素材で化学物質の発散のない材料です。その結果、家の中から、空気を汚すものは発生せず、澄んだ空気のなかで、起きて、食べて、寝る、健康的なでおいしい空間になっています。
しかし、空気がおいしいだけでは、まだ住空間として満足な空間とは言えません。さらにワンランク上の空間にする為、主庭に向けて大きな開口を設けました。この開口からは、庭の緑が目に飛び込んでくるだけでは無く、太陽の光が室内を明るく照らし、風が四季の匂いを運んでくれます。
おいしい空間は、使い勝手も良い空間です。キッチン内収納として、造付けの食器棚を配置。また、キッチンの横に納戸サイズの食品庫を設け、キッチン廻りの雑物だけでなく、掃除機なども収納する事が出来る様にしています。五感を満足させるおい
しい住宅が出来上がりました。