畳はとても良い材料です。におい、色、踏み心地すべてにおいて、五感を心地よく刺激します。しかし、ライフスタイルが変化した現代においては、耐久性などの問題から、近年特に使用されることが少なくなっています。
昔ながらの床の間を持つ続き間がある平屋部と2階建て部分の2つの建物から構成されるこの住宅を、全体的にリノベーションすることになりました。家全体の床には畳が敷いてありましたが、これから高齢化し車椅子を利用される可能性も考え、畳敷きからフローリング貼りへ変えました。また、プランニングを整理し、生活空間のコンパクト化を図りました。
周辺環境は眺望があまり望めない環境でした。そこで、室内の天井を目一杯あげて、開放感を上部に求めました。その一方出来る限り床の間などは今までのものを再利用する方針を立てました。
昔の床の間・床柱と新しい床・壁が一体となった空間が生まれました。