MORIMURA ATSUSHI ARCHITECTS
萌しの家 kizasinoie
使わなくなった店舗部分を 住宅に変えて、 これからの暮らしに合わせる。
所在地 山梨県富士吉田市 主要用途 住宅(コンバージョン) 施工 深澤工務所 担当 深澤成彦 構造 鉄骨造+木造 富士山が圧倒的な存在感を持って見下ろすこの街は、かつて繊維産業が栄え、多くの人々がいきかい賑わっていた。時代が移り変わり、今では、多くの商店がシャッターを閉じ、街はかつて栄華を誇った街の雰囲気を残したまま、時が止まった様に存在している。 この家の計画は、もともと商店であった空間に住むための部屋を作ることが一番大きな目的であった。既存建物は、かなり大きな店舗付き住宅であったが、使用されていない部分や老朽化で危険な部分もあった。そこでまず、老朽化して危険であり、使用されていない部分を思い切って減築することにした。 既存建物の店舗部分は道に向けて大きく開放的に面していた。その一方住居部分は、店舗の奥部分にあり、眺望もなく、スペースも限られていた。そこで、店舗部分にメインの部屋を配置することにするが、今度はあまりにも道に開放的であったため、その間に庭を配置し、お互いに程よくつながる様にした。基本的なプランは2世帯がゆるやかに繋がる間取りとしたが、お互いの空間の雰囲気を変えて設計し、それぞれの世帯に個性を持たせた。 時代が流れると街が変わる。街が変わると暮らしも変る。この街は稼ぐ街から住む街へと変貌を遂げる。その一つのきっかけとして、この家を計画した。 人が暮らすと街が生まれ、街が生まれると再び店がでる。今、日本全国に多く点在する空き家やシャッター通り商店街へ向けて、少しでもメッセージを発信出来れば良いと思う。

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